英語の文法・構文 学習の進め方

必要な道具が揃ったら、「文法・構文」の学習を進めていきましょう。

ここでは『インタラクティブ英語構文』をテキストとして使用しますが、同じような構成のテキストであれば他のものを使用しても構いません。(美誠社の『英語の構文150』など)

テキストの構成は、覚えるべき文法パターン例文・解説練習問題の3つの部分で1セットです。

例題

(1). 覚えるべき文法パターン

文法表現: 仮定法過去
→ 叶わぬ願望・気持ちを表す。 「~だったら良いのに。」

I wish + 過去の文 または
If only + 過去の文

I wish I could travel abroad.
海外旅行に行きたいなぁ。(行きたいけど行けない)

If only I had more time !
もっと時間さえあれば良いのに!

(2). 例文・解説

  1. I wish + 過去の文は、「実現するのが不可能なことに対する願望」を表現する。
  2. If only + 過去の文は、「実現するのが不可能なことに対する願望」で、より感情的で強い表現。
  3. I hope + 現在の文、または未来の文は、「実現しそうなことに対する期待」を表現する。

例文

I wish I were a cat.
「自分がネコだったら良いのになぁ。」

I wish I could turn back to a child.
「子どもに戻ることができたらなぁ。」

I hope you’ll win the soccer game.
「あなたがサッカーの試合に勝つことを願います。」

If only I knew that !
「それを知ってさえいればなぁ。」

(3). 練習問題

次の空欄に入れるのに最も適切なものを(1)~(4)から選んでください。

  1. A: You lost weight, didn’t you?
    B: No, I didn’t. I wish I (      ) as slim as you.
    (1) am  (2) will be  (3) could be  (4) can be
  2. (      ) I had 30 hours a day !
    (1) I hope  (2) If only  (3) Only if  (4) If merely

例題として、“仮定法”という文法表現の一つで、「叶わぬ願望・気持ち」を表す文法を紹介しています。

文法を覚える文法がどのように使われるのか確認練習問題で知識を定着させる という流れで学習を進めていきます。

文法のテキストだけでは理解が不十分と感じた場合は、『ロイヤル英文法』を使って納得できるまで例文や用法を調べていきます。

手順1 文法を覚える

まずは(1) 覚えるべき文法パターンを見て、基本となる文法パターンを覚えます。

例題には、“I wish + 過去の文”または“If only + 過去の文”で、「~だったら良いのになあ。」という、叶わぬ願望を表現できると書いてあります。

<パターン>

  • I wish + 過去の文 → 「~だったら良いのになあ。」(叶わぬ願望)
  • If only + 過去の文 → 「~だったら良いのになあ。」(叶わぬ願望)

手順2 例文と解説で理解を深める

次に、(1)で覚えた文法パターンが、実際の英文でどのように使われるかを確認します。

文法は、情報を伝えるための手段に過ぎません。 文の中で使われて初めて「生きた英語」なるのです。

といっても、例文を丸暗記する必要はありません。 それより、文法パターンをしっかり覚えることが重要です。 文法を覚え、自分で自在に例文のような文を作れるようになることが目的だからです。

それでは、(1)の文法を使ってどのような英文が作れるのか、例文を見て確認します。

例文

I wish I were a cat.
「自分がネコだったら良いのになぁ。」

I wish I could turn back to a child.
「子どもに戻ることができたらなぁ。」

I hope you’ll win the soccer game.
「あなたがサッカーの試合に勝つことを願います。」

If only I knew that !
「それを知ってさえいればなぁ。」

1つ目と2つ目は、“I wish”の後に過去形の文が続いています。

1つ目の文では、“I were a cat” → 「私はネコだった」という過去の文が続いているので、“I wish”の願望と組み合わせると「私がネコだったら良いのになあ」という願望の意味になると分かります。

同様に2つ目の文では、“I could turn back to a child” → 「子どもに戻ることができた」という過去の文が続いているので、「(私が)子どもに戻ることができたらなあ」という意味になります。

3つ目の例文では、“I wish”の代わりに“If only”を使っていますが、(1)を見るかぎり文法的な役割は同じようなので、上の2つの例文と同じ要領で理解することができます。

納得が行かないことは、『ロイヤル英文法』で詳しく調べる

さて、1つ目の例文ですが、過去形の文が“I were a cat”となっています。

もしあなたが、「私は~である」の過去形が、“I were ~”ではなく“I was ~ ”となることを知っていたなら、どうして“I was a cat”ではなく“I were a cat”となっているのか納得行かないかもしれません。

疑問に思った時は、『ロイヤル英文法』を使って調べます。 『ロイヤル英文法』には、英語の文法パターンがほぼ100%収録されているので、どんな疑問でも必ずスッキリ解決できると断言できます。

それでは、さっそく“I wish”で調べてみましょう。 すると、アルファベットのIのところからすぐに答えが見つかります。

  • 仮定法過去
    be動詞はwereを使うのが原則。 口語ではwasを使うことが多い。

“I wish”の後に続く願望を表す過去の文では、主語に関係なくbe動詞は“were”になるということが書いてあります。

補足として、口語では“was”が多く使われると書いてあります。 筆者の経験上、ネイティブ・スピーカーの多くは、日常会話で「I wish I was ...」という言い方をします。

これは日本語で例えると、「ら」抜き言葉に近い感覚です。 正しい日本語は「食べられる」ですが、日常会話では「食べれる」と言う人が多いですね。 こういう口語に関する情報も教えてくれるのが、『ロイヤル英文法』の良いところです。

といっても、英語の学習者としては、まずは正しい文法を覚えることが大切です。

I(私)に続く過去のbe動詞は“I was”というのが基本パターンだけど、特殊なパターンとして、“I wish”の後では“I were”になるということです。

英文法の特殊パターン

基本パターンしか知らなかった人は、“I wish I were”という英文を見たときに「あれ? おかしいな」と疑問に思います。 そこで、より詳しい情報を調べてみると、現実には起こらないこと(叶わないこと)を表す場合に限って、例外として“was”の代わりに“were”を使うと理解できます。

一方、基本パターンを知らなかった人は、特殊なパターンである仮定法の文を見ても疑問に思いません。 しかし、特殊なパターンの文法から覚えて、後に基本パターンを覚えても問題はありません。

このように、英語の文法というのは色々なパターンが合わさったものです。 英語の文法を身に付けるには、難しい思考が必要なわけではなく、一つ一つのパターンを覚えていくことの積み重ねが大切なのです。

■文法の学習とは、パターンを覚えることの積み重ね

英語の文法は積み重ね

「文法が分からない……」と感じるときは、単にまだ覚えていない文法パターンがあるというだけです。 英語の文法は決して複雑なものではありません。 根気よくパターンを覚えていけば、文法力は必ず身に付きます。

紛らわしい、似たような文法も一緒に覚える

“I wish I were ~”の疑問が解決したところで、例題の学習に戻りたいと思います。

(2)の例文・解説を見ると、叶わぬ願望を表す“I wish”との比較として、実際に起こりそうなことへの期待を表す“I hope”という表現が紹介されています。

I hope you’ll win the soccer game.
「あなたがサッカーの試合に勝つことを願います。」

“I hope”の場合、後ろに続く文は現在形または未来形で、過去形ではないということも違いとして覚えておきます。

手順3 練習問題で記憶を定着させる

手順1と手順2で、文法パターンを理解することができました。 次に、覚えたことを忘れないうちに練習問題に取り組みます。

すぐに練習問題をやることで、文法の理解が定着するとともに、TOEICや英検などの資格試験対策としても直接的な効果が得られます。

【練習1】
・次の空欄に入れるのに最も適切なものを(1)~(4)から選んでください。

A: You lost weight, didn’t you?
B: No, I didn’t. I wish I (      ) as slim as you.
(1) am  (2)will be  (3)could be  (4)can be

2人の会話文の中で、穴埋めをする練習です。 空欄の直前には“I wish”があるので、叶わぬ願望を表現しようとしていることが分かります。

ということは、その後には現在形の文は作れないので、答えはすぐに“③ could be”だと分かります。 問題の答えはすぐに分かりましたが、文の意味をしっかりと把握し、文法が文脈の中でどう使われているかも確認しましょう。

(練習1の日本語訳)
A: 「痩せたんじゃない?」
B: 「いいえ。 あなたみたいにスリムになれたら良いのに。」

【練習2】
・次の空欄に入れるのに最も適切なものを(1)~(4)から選んでください。

(      ) I had 30 hours a day !
(1) I hope  (2)If only  (3)Only if  (4)If merely

空欄の後ろで“I had 30 hours a day(1日に30時間持っていた)”と言っており、現実には叶わない願望を表現しています。 そして、“I had”と過去形になっていることからすると、願望を表す仮定法過去の文法だと分かります。

叶わぬ願望を表す仮定法の表現は、“If only”なので、答えはすぐに(2)だと分かると思います。

(練習2の日本語訳)
「1日に30時間あったら良いのに。」

この手順を繰り返して進めていけば、誰にでも英語の文法はマスターできます。 理屈ではなく、パターンを覚えるという意識を持つことがポイントです。