英文読解 - 学習の進め方

必要な道具が揃ったら、いよいよ英文読解の学習を始める準備ができました。 英文読解の学習を行うと、語彙力と文法力を短期間で伸ばすことができます。

■学習時間と英語力の関係
学習時間と英語力の関係

多くのことを吸収するプロセスですが、決して退屈な丸暗記の学習ではありません。 あなたが好奇心と熱意を持って取り組むことができれば、きっと楽しくてワクワクするような学習になるはずです。

それでは、『速読速聴・英単語 Basic 2400』を使って効果的に学習する方法を説明していきます。

テキストでは、英文日本語訳文法・構文の解説単語の解説、の4つで1セットになっており、このようなセットが全部で80ほど収録されています。

ここでは、テキストと同じ構成になるように、英文日本語訳文法・構文の解説単語の解説の4つを例題として使い、実際にどのように学習していけば良いのかを解説していきます。

例題

以下の例題を見て、あなたは難しすぎると感じるかもしれませんし、簡単すぎると感じるかもしれません。 難しすぎると感じても大丈夫です。 英文読解の学習では、「かなり厳しいなぁ・・」と感じるくらいの英文が、実はちょうどよいのです。

逆に簡単すぎると感じる方も、今後英語力を継続的に伸ばしていくためには学習の要領をつかむことが重要なので、この例題を参考にして学習を進めていく方法を身につけていただきたいと思います。

(1). 英文

In Japan, most of the high school students have to wear uniform at school.  Some students don't like school uniform and others think it's comfortable because they don't have to care about what to wear for school everyday.  Actually, students who don't have school uniform spend more money on their clothes than students who have uniform.

(2). 単語・熟語の解説

most of …  ほとんどの…
high school students  (名詞) 高校生
wear  (動詞) 着る、着用する
uniform  (名詞) 制服
comfortable  (形容詞) 快適な、心地よい
care about …  …について気にする
spend A on B  AをBに費やす
clothes  (名詞) 衣服
actually  (副詞) 実際は

(3). 文法・構文の解説

最初の文: have to ~(動詞) 「~しなくてはならない」
二番目の文: some ~ others … 「~するものもあれば、…するものもある」
some students ~ others … 「~する生徒もいれば、…する生徒もいる」
二番目の文: others think it’s comfortable… 「それが快適だと思う生徒もいるのです」
二番目の文: what to ~(動詞) 「何を~するのか」
最後の文: students who don’t have school uniform ~ → どんな生徒なのか、whoから後で説明している 「制服を持っていない生徒」
最後の文: more  → (形容詞) より多くの → many、muchの比較級

(4). 日本語訳

日本では、ほとんどの高校生が学校で制服を着なければなりません。 学校の制服が好きではないという生徒もいれば、毎日学校に何を着ていくか気にしなくても良いから、快適だと考える生徒もいます。 実際、制服が無い生徒は、制服がある生徒よりも、より多くのお金を衣服に費やしています。

学習の流れ

英文読解の学習は、以下のような流れで行います。

英文

  1. 単語・熟語の意味を見る (2)
  2. 文法を見る (3)
  3. 自分で日本語訳を考える
  4. テキストの日本語訳を見る (4)
  5. 疑問点を整理する (自分で読解できたか?どこが分からなかったのか?)
  6. 新しく分かったことをまとめる
  7. 英文だけを見て、日本語訳を考える
  8. 詳しい文法の仕組みを調べる(必要があれば)

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この学習法の良いところは、辞書や文法書を必要とせず、基本的に一冊の本だけで「文法、単語、読解力」という英語力の根幹を養える点です。

では、それぞれの手順について、さらに詳しく解説したいと思います。

手順1.単語・熟語の意味を調べる

ここでは例として、(1)の英文を見たときにまるっきり一つも分からないという視点に立って、学習を進めていきます。

あたかも、古代遺跡で手に入れた未知の文書を、これから解読していこうとする冒険家のような気持ちで読み解いていくことになります。 しかし、この文書を解読するために必要な道具は全て揃っているのです! ちょっと楽しいことだと思いませんか?

では、1文ずつ読解をしていきましょう。
最初の文は「In Japan, most of the high school students have to wear uniform at their schools.」です。

最初の文
In Japan, most of the high school students have to wear uniform at school.

この文がどういう意味なのか、まだ何も分かっていません。 そこで、(2)の単語・熟語の解説から手がかりを探すことにします。

(2)を見ると、(1)の英文に含まれている“most of”、“high school students”、“wear”、“uniform”という言葉の意味が解説されています。 これを参考にして、わかった部分を英文に当てはめてみましょう。

最初の文
In Japan, most of the high school students have to wear uniform at school.

most of …  ほとんどの…
high school students  高校生
wear  着る
uniform  制服

何について書かれた文なのか、少しわかってきました。

手順2.文法を調べる

まだわかっていない部分は、“In Japan”、“the”、“have to”、“at their schools”です。

そこで(3)の文法・構文の解説を見ると、“have to”について解説されています。 そこには、“have to”というものの後に動詞があると、「~しなければならない」という意味になると書かれています。

英文を見ると、“have to”の後ろに「着る」という動詞の“wear”がありますね。 ということは、“have to”+“wear”で、「着ることをしなければならない → 着なければならない」という意味になりそうです。

最初の文
In Japan, most of the high school students have to wear uniform at school.

most of …  ほとんどの…
high school students  高校生
have to wear  着なければならない
uniform   制服

文の意味がかなりわかってきました。

手順3.日本語訳を考える

“In Japan”、“the”、“at the schools”の3つの部分はテキストに解説が無いので、ここでは分かません。 そこで、これまでに分かっている手掛かりから日本語訳を考えてみます。

ほとんどの、高校生、着なければならない、制服という4つの部分から、

ほとんどの高校生は、制服を着なければならない

という日本語訳が推測できます。

手順4.テキストの日本語訳を見る

さて、それでは読解作業を一旦中断して、(4)の日本語訳を見てみることにしましょう。

日本語訳
日本では、ほとんどの高校生が学校で制服を着なければなりません。

手順5.疑問点を整理する

自力で読解できた訳と、回答である④の訳を比べます。 自力で読解した訳には、「日本では」という部分と「学校で」という部分が抜け落ちています。

ということは、テキストに解説されていなかった“In Japan”、“the”、“at school”のうちのどれかが、「日本では」と「学校で」という意味になると分かります。

そこで、英和辞典で個々の単語の意味を調べてみます。

すると、“Japan”は「日本」、“school”は「学校」という意味であると分かりました。 どうやら、“In Japan”が「日本では」、“at school”が「学校で」を意味するようです。

最初の文
In Japan, most of the high school students have to wear uniform at school.

In Japan  日本では
most of …  ほとんどの…
high school students  高校生
have to wear  着なければならない
uniform   制服
at school   学校で

これで、英文と日本語訳をほぼ結びつけることができました。 英文読解の作業は完了です。

現段階では、このように文を大まかに読解できればOKです。 詳しい文法を1つ1つ調べるよりも、たくさんの英文を読解していく方が、英語力が効果的にアップするからです。

手順6.新しく分かったことをまとめる

新しく知った単語、表現、文法などを頭の中で簡単に整理します。

  • Japan → 【名詞】 日本
  • In Japan → 「日本では」
  • high school students → 【名詞】 高校生
  • have to ~(動詞) → 「(動詞)しなければならない」という意味
  • wear → 【動詞】 着る、着用する
  • have to wear → 「着なければならない」
  • uniform → 【名詞】 制服
  • school → 【名詞】 学校
  • at school → 「学校で」

知識ゼロからスタートした場合は、たった一つの文を読解するだけでも、多くの新しい発見があります。

手順7.英文だけを見て日本語訳を考える

最後に、あらためて(1)の英文に戻り、英文だけを頼りにして日本語訳を考えてみます。

ここまで、手順1~6の読解作業によって、
In Japan, most of the high school students have to wear uniform at school.
という英文から、
日本では、ほとんどの高校生が学校で制服を着なければなりません。
という日本語訳にたどり着くことができました。

読解を行ったときは、テキストの単語・熟語解説、文法解説、および英和辞典の助けを借りましたが、今度は英文だけを見て自分の頭で日本語訳を作ります。

In Japan, most of the high school students have to wear uniform at school.

この原文だけを見て日本語訳を作れるでしょうか?(書く必要はありません。頭で考えるだけで良いです) 日本語訳が思いつかない場合は、上の文のどの部分が分からないかに注目します。

分からない部分を特定できたら、その部分についてもう一度テキスト(または辞書)を使って調べます。 この作業を、英文だけを見て日本語訳が作れるようになるまで繰り返します。

このとき、テキストに書いてある日本語訳を丸暗記しようとせずに、英文のどの部分が日本語のどの部分の意味になるのかということを考える必要があります。

英文だけを見て日本語訳が思いつくようになれば作業完了です。

このように英文から日本語訳への変換を自分の頭で行うことにより、個々の単語・熟語の意味や、文法の規則などを驚くほど効果的に覚えることができます。

単語や文法を単独で覚えようとしても、単調な丸暗記に頼らざるを得ないため、ほとんど記憶に定着しません。 一方、英文を読解しながら、文中で使われている単語、熟語、文法をまとめて覚えていくと、“文章の中の生きた英語”として強く記憶に残るのです。

例題として使用した英文は、あなたにとって簡単すぎたかもしれません。 しかし、この読解方法はどんな難しい英文に対してでも使うことができます。

新しく出てきた知識は、一度で完璧に覚える必要はありません。 同じ単語、熟語や文法が、他の英文にも繰り返し出てくるので、学習を進めていくうちに自然と記憶に定着していくのです。

<練習>
練習1】手順1~手順7の方法で、(1)の英文の続きを読解してみましょう。
練習2】全ての文を読解できたら、辞書やテキストの解説を使わずに、(1)の英文全体から日本語訳を作って下さい。
練習3】テキスト『速読速聴・英単語 Basic 2400』の最初のトピックを、例題と同じ要領で読解して下さい。